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中国茶は人生、花は宇宙、音楽はすべての答え
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はじめてのJAZZ。<滅びゆく恐竜>
学生時代の友人にYというのがいて、当時「夢はコーヒーとバーボンの店をやること」なんて言っていたわけです。若いうちに夢を持つことって大事ですけれど、今思うと「小っちゃいなあ〜」って思うんですね、それと間違いなく儲からない(笑)。同年代やその前の自営志向の人って、「小さくてもいいから自分の店を持ちたい」という話をする人が結構いたように思います。今なら「新しいビジネスを始めてドカっと儲けたい」って方向にいっちゃうのかなあ・・・って思います。

そんな自分の城を持ちたい志向の人が、日本の変な文化「ジャズ喫茶」をやっている(やっていた)んじゃないかなあと思います。好きな音楽を大音量で流して商売をしようなんて、虫がよすぎることに気がついていないか、わかっていても忘れようとしている不思議な人達です。大概は細々と赤字のまんまで経営しつつ、無理矢理お客に「マスター」って呼ばせようとして、結局「あの店の変なオヤジ」なんて言われているわけです。

ジャズ喫茶というところに行ったのは1回だけ、それも有名店ではなくてオシャレな街の自由が丘の東急線の線路近くにあった店でした。たしか雑居ビルの2Fにあったと思いますが、階段を上がるとドアの外にも大音量でハードなジャズが音漏れしています。素っ気ない防音のあまり良くなさそうなドアを開けると、薄暗い店内には案の定客はいません。思わず宅配の人かなにかが間違えて開けてしまったフリをして帰ろうと思いましたが、せっかくだからと思い直して入ってみることにしました。

ビニールレザーかなんかのスツールの席に座って、インベーダーゲームがマウントされていそうな黒い安っぽいテーブルの上の手書きのメニューを見ると、薄暗い照明の中に「コーヒー」という字を読むことが出来ました。近寄って来た無愛想な店の人(オーナーか使用人かはわかりません)の耳に口を近づけて頼みます。どでかいスピーカーから擦り切れたレコードのスクラッチノイズにまみれた「聴いたことない禍々しい音」が、ずっと暴力的にあまり丈夫とは思えない天井や壁や床を揺らしながらを鳴り響いていました。で、しばらくして出て来た濃いめのコーヒーが、どう考えてもしょっぱい。微妙に塩味? いやがらせされたのかはいまだに謎ですが、こんなにストレスが溜まる店も珍しい、どこもそんな感じだったのでしょうかね?

「拷問」から耐えきれずに数十分ほどで退散したら、外はオシャレな奥様や学生さんが闊歩する街。そんな散々な「滅びゆく恐竜」に何かを求めようとしたことが間違いであったようです。レコード、特にスタジオ盤を聴くだけじゃダメなんです、他のジャンルでもそうですが特にジャズって音楽は。

そこで、大会場や小さな会場でリーズナブルな金額で聴けそうなライブに接することにしました。自分が聴き始めたときには既にアメリカの著名なアーティストの多くが他界していましたから、とにかく日本の方々のライブを聴きました。中でも最も印象に残っているのが渋谷の東急本店だったかのレストランフロアのとても小さなスペースを使って数回行われたライブ。伊藤君子さんや金子晴美さんが目の前で歌ってくれたのです、今考えるとなんでアレが実現したのか謎な「採算」という言葉が全く存在しなかった企画でした。

音楽の興味はこの頃にはモータウンなどの黒い方向も同時進行していましたので、ブラックコンテンポラリーから今で言うオールドスクールのHIPHOPあたりまで色々とライブにも行きました。でも、ジャズはライブでの現場感覚が飛び抜けているのですね、ミュージシャン同士のアイコンタクトや、お客の反応によってどんどん「その場」が動いて行く感じがあるんです。というわけで、偏屈な空間で下を向いて聴いていてもわからない音楽ですが、ライブ録音の作品で疑似体験してみましょう。ということで今回も3枚ピックアップしてみました。

Keith Jarrett/Koln Concert
落語ってジャズに近いと思います、ところでお客の様子を見て演目を変えるって話はホントなんでしょうか・・・ともかく場の雰囲気が大事なのですね。この作品のコンサートでは街や会場、お客さんの雰囲気をもとに、即興で演奏したといいます。美しいピアノが冴え渡るキース・ジャレットのドイツでの最高の独演会。これをピアノとうなり声と足音(ドイツだからアディダスのスニーカー)のひとりピアノトリオ作品と書いた評があって大笑いしたことを思い出しますが、本当にテーマすら決めないでピアノの前に座ったのでしょうか、いずれにしてもキースが神になった瞬間の記録です。(1975年)

Ella Fitzgerald/Ella In Berlin
マック・ザ・ナイフでおなじみの作品、ソニー・ロリンズの人気盤サキソフォンコロッサスにも入っているモリタートもこれと全く同じ曲で、三文オペラからのものです。ライブで乗りまくるエラ・フィツジェラルドはやっぱりすごい。やや硬めな感じのする声質や、ややオーバー気味な表現を好まない人もいるようですが、個人的には美空ひばりとこの人が女性ボーカリストとしてはずば抜けているように思います。(1960年)

Keystone 3Keystone 3/Art Blakey & The Jazz Messengers
派手なドラミングとファンキーな曲のテーマでおなじみのアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャースはジャズの重要なグループのひとつでした。初期の頃から人材の登竜門としての役割を果たし、この作品が録音された当時にデビューしたウィントン・マルサリス、ブランフォードマルサリスなどを含むグループの時代もかなりの勢いがありました。長らく入手できなかったと思いましたが、現在は幸いなことにCDで入手出来ます。このキーストンコーナーというライブハウスでのアルバムの中ではこれが一番評判になっていて、聴くとなるほど熱いです。ライブに快作が多いアート・ブレイキーのバンドは1950年代、1960年代、1980年代と聴きどころの多い作品を多数発表しています。(1982年)
| しながわ | music/はじめてのjazz | 21:22 | comments(0) | trackbacks(0) |
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